後期講座全8回を終えてめでたく修了証をいただきました。
毎回驚きあり、感動ありの楽しい時間だったので、終わってしまい少し寂しいです。
久しぶりに学生にかえり、家庭科の授業を受けたみたいでした。
といっても学生のころは家庭科なんてめんどうとしか思ってませんでしたけど^^;
昭和くらしの学校は、ひとことで言うとくらしの中に伝わる手仕事を館長の小泉和子先生はじめ講師の方から毎回異なるテーマで教わる学校です。
主催は「昭和のくらし博物館」。
「生活史」の研究家である小泉先生は、古くなったご生家を、昭和のくらしを残して伝えるための資料として壊さずにまるごと博物館として保存されています。
私に通うきっかけをくれた前期の糠講座では、小泉先生がお母様から引き継がれた年代物の糠床を実際に持ってきて見せてくれました。魚の骨さえ分解してしまうすごい発酵力なんだそうです。
先生は、野菜の切れ端などはいちいち冷蔵庫に入れないで糠床に放りこみ古漬けにするそうです。古漬けの試食も美味しかった~。
前期は食について、後期は衣と住。どれも女性が受け継いできたありふれた家事に関する講座ですが、ほんの数十年でくらし方ってこんなに変わったの? と驚きの連続でした。
特に後期は、ライフスタイルの変化で実用性が薄くなったテーマばかりで、正直いって受講申し込みに躊躇しました(^^;; 。。でも結果そのぶん驚かされることが多くて、かえって印象に残る内容でした。
後期内容↓↓↓↓
1回 布の再生―洗い張り―
2回 もったいない―段ボールの再利用―
3回 布の再生―小物作り―
4回 着物のいろは
5回 昔ながらの大掃除
6回 繕いもの
7回 仕舞う―飲食器と着物―
8回 仕舞う―家具調度品―
洗ったり、再利用したり、しまったりという暮らしの中の「メンテナンス」に焦点をあてていることに注目してください。「着物のいろは」も教わったのは着付けではなく、畳みかたや保管のポイントでした。今と違って物がすぐ手に入らない時代は、どれも必須科目だったんですね。
朝ドラで“おしん”がこともなげにこなしていた着物の洗い張り、実際の手順を聞くと気が遠くなりそうでした。
ごくごく簡単に書くと…着物を解いて反物に縫い直して、洗って糊づけして干してから、また解いて着物に縫い戻す。糊だってふのりから自分で煮出して作ります。た、大変。これぞ循環型のくらしの縮図。
実際に家庭で主婦が自力でどこまでやっていたのかは知りませんが、とにかく昔の主婦の家事は信じられないほど手仕事だらけってことがよくわかりました。
昔といっても、私の祖母(明治生まれ)はまだその世代で、着物を縫ったり布団を打ち直したり、梅干しを漬けたり自分でなんでもできてたらしいです。
それを見て育ったわたしの母も、縫い物や漬け物などはごくごく自然に覚えたのだとか。ちなみに若い頃はまだ既製服なんて一般的でなく、オーダーか作るかもらうかの世界だったそう。
それがわたしの世代ともなると、もう服でもなんでも作るより買う発想なので、隔絶の感がありますね。
もちろん時代に逆行する気はさらさらないけど、自分を見つめ直す良いきっかけになりました。実際に実習で手を動かしてみると、めんどくさそうな事が意外と楽しかったり、知恵が詰まってて面白かったり、わたしももっとできることを増やしたくなりました。
先生が一貫しておっしゃっていたのは、「ものを無駄にしない」「すぐに買わない、買う前に頭を使って考える」
最近流行りの断捨離とはまた違う考え方です。
当たり前のことと言っちゃえばそうなんですけど、実はできてないことがいっぱいだし、できないと勝手に思い込んでいることもたくさんありそう。
そして小泉先生のお元気なこと。80を過ぎていて少し足は悪いそうですが、頭の回転は早いし、声もはっきりよく通ってとてもそんなお歳には見えません。
やっぱり手仕事って元気に長生きする秘訣かも、とひそかに思いました。
講座には千葉、茨城、神奈川と遠くから来てるかたも意外に多くてびっくりしました。わたしなんて近所(徒歩10分ちょい)だから通ったようなものなのに。確かに他にはなさそうな学校。あと先生けっこうと著名人なのかも(失礼!)。著書も多いです。
講座は単発でも受けられるので、またおもしろそうなテーマがあれば参加したいと思います
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