オーガニックを通じてアジアの人々をつなぐ情報誌、『OrganicAsia』の創刊にあたりアートディレクションを担当させていただきました。
発行者の岩田さんと私たちはこれ以前は全く面識がなかったのですが、今回“オーガニック好き”というご縁でつながり、田中ともども起用していただけることとなった次第。ミラクルななりゆきでちょっと驚いています。
初めてお会いした時は、ロゴとコンセプトが決まっているだけで、それ以外はどこでどう売るのか、制作メンバーはどうするのか定まっていない、ゆらゆらした状態。そのゆらゆら状態からTRiM.で撮影、デザイン、Webサイトの立ち上げと、ずっとお手伝いさせてもらいました。
岩田さんのいうオーガニックとは、特に難しい定義は抜きです。
何がどうオーガニックとか考え出すとキリがなく、同時に何かや誰かを切り捨てることにもつながりますよね。
発行者の岩田さんは、もうその辺はゆるーくお考えになっていて、とにかくオーガニックとアジアが好きな人でつながっちゃおう!
そのツールとしての情報誌をつくりたい! とのこと
この発想は新しいなぁと感じました。私もどちらかというとミーハー的なオーガニック好きですけど、ディープかどうかよりも、人との出会いが楽しくて、いつの間にか輪が広がってます。
まだ国境は超えてませんが、そういう可能性もあるんだなぁと気づかせてもらいました。
そういうわけで、この本は多言語展開です! もうひとつ言うと紙よりもデジタル版での販売がメイン。
この仕事ももう長いですが、中国語での文字組みや、デジタル化は初だったので、じゃっかん冷や汗かきつつ、あれこれ調べまくりつつのデータ制作になりました。
デザイン面でも、PC画面で読むことを考慮して、見やすい書体でやや大づくりにしてみたり初のこころみです。
オーガニックにたいする考え方はゆるくとも、本の内容はややディープでかっちりしたものなので、それを崩さず保ちつつ、ギリギリ賑やかに親しみやすいデザインに落とし込んだつもり。
“オーガニック” と聞いて最初はきれい目で静謐なイメージも浮かんだのですけど、この本の役目は情報をつうじて人々がつながること。
情報誌としてしっかり役立つ感じを出したいし、たとえ読めない部分が多くてもなんとなく言いたいことが伝わるようにしたいと思ってデザインしました。撮影の半分ぐらいは田中が受け持ったので、イメージも伝えやすかったです。
デジタル版の販売価格は300円、紙版は500円です。サイトから購入できます。→www.organic-asia.jp
週末農風についても2ページ掲載されました。これぞ役得。
さて、懸念のデジタル版へのデータ化。今回は一番簡単な、PDFに書き出してリンクを挿入するだけの方法をとることになりました。
ここで頭を抱えたのがPDFへの書き出し形式。
販売サイトの製作手引きによると、推奨はpdfX1-a形式。
この形式だと透明機能がサポートされてないので、表示が崩れてしまいます。とはいっても売られているデジタル雑誌は崩れてない。どうやってるの???x-1でなくてx-4形式でもいいの? 4なら崩れません。
さんざんネットで調べてみるも、情報の少なさにびっくりです。
で、おそるおそる販売サイトにメールで問い合わせたところ解決。X1-aだけとは限らない、x-4形式でも対応できるとのことでした。
こういうことは印刷のPDF入稿でもあることで、印刷屋さんから「pdfX1-a形式で入稿してください」と指定されても「x-4形式でいいですか?」と聞くとOKなことがあります。x-4だとトラブルに完全対応できないとかいう都合でもあるのかな? 今回は初のデジタル化がおっかなびっくりだったので、テストデータを送って検証してもらいました。Fujisanは心良く検証してくれましたよ♪
せっかく作ったので、推奨形式をx-4にカスタマイズしたjoboptionを公開しておきます。Fujisanにデジタル入稿する時に使用できます。
IndesignとIllustratorからPDFに書き出す際に読み込んでご使用ください。
ただ何かトラブルが発生しても対応も責任もおえませんのであしからず。
制作ツール:Indesgin CS5.5 Illustrator CS5.0
制作時期:2013年後半